災害が激甚化していった平成の時代を振り返る
災害の年への突入
昭和を終え、始まった平成の時代は災害の時代だったと言っても過言ではありません。
地震に台風、豪雨とさまざまなで、まったく何もなかった年はなかったと言えるほどでした。特に被害が甚大化してきており、この30年間はまさに自然との闘いだったと言えるでしょう。
そこで、平成の最近の災害から改めて振り返ってみます。
対策を取るべき要素が増えた時代
ひとたび自然が猛威を振るえば、その前に人の力は悲しいほどに無力であることを何度も突き付けられたのが、平成という時代だったと言えます。
地震と台風が大きな被害を出してきたことが、もっとも強い印象として残っています。
中でも地震については1995年の阪神淡路大震災と2011年の東日本大震災は、そのほかにも数多くの地震があった中でひときわ激甚化が目立ったものでした。
さらに台風に伴う集中豪雨による山崩れや土石流、山の噴火による火砕流といった自然の猛威によって多くの尊い人命が奪われていったことも、平成の時代の特徴だったと言えるでしょう。
また、日本では起こったことがなかった竜巻被害があちこちで発生するなど、かつてなかった恐怖も生まれました。
加えて夏の猛暑が多くの人々の命を奪い、冬の豪雪が地域を孤立させ、物流機能を停止させるといった具合に、新たに対処すべき災害一覧が増えたことも、これまでとは明らかに違う時代になったと感じさせるに十分だったと言えます。
最近の自然災害で印象に残っていること
思わず目を覆いたくなるような惨状へとつながった自然の猛威が多く、昭和から変わった平成の時代は激動の時代になったことを、ひしひしと痛感します。
平成の終わりの直前の2018年と、その前年の2017年だけでも数多くの被害が日本列島全域で発生しており、枚挙に暇がありません。
2017年はとりわけ台風による被害が深刻な年となり、台風3号が引き金となって、九州北部豪雨被害をもたらしています。
さらに台風5号、18号、21号と続けざまに上陸したことは、多くの人の心を不安に陥れました。
特に台風21号は1991年以降、超大型の台風として上陸したため、各地に甚大な被害をもたらした、まさに台風被害の年であったと言えます。
平成として1年間を迎える最後の年の2018年も
2018年には、翌年にはもう元号が変わるということが分かっていたことから、元号でいうと平成として1年間を迎える最後の年だったわけですが、年々甚大化する被害は最後まで続きました。
観測史上もっとも大きい首都直下型震度を記録した大阪府北部地震は、震度6弱の揺れをもたらし、1週間以上にわたってガスや水道が止まるといった状況に、多くの人が不便を強いられたのは記憶に新しいところです。
阪神淡路大震災以降、もっとも大きな揺れだったこともあって、阪神淡路大震災経験者はとりわけ大きな不安にさいなまれました。
豪雨による水害も多く、これまで命を落とした人が100人を超えたのは地震だけでしたが、初めて水害によって100人以上の犠牲者を出したことから、この30年間で最悪の水害の時代となったのです。
台風とともに豪雨となるという流れが非常に多くなり、これが被害の甚大化を加速している状況と言えます。
平成から令和へ。これから先も日本では対策が必須
2018年には、埼玉県の熊谷市と岐阜県の美濃市で41度を超える猛暑を観測し、史上初の猛暑記録を打ち立てました。
その結果、日本中で熱中症患者が続出し、そのうち高齢者を中心に、若い人や子供まで、あらゆる年齢層で合計133人が命を落としています。
今後、地球温暖化対策に向けて早急に対策を取らねば、猛暑による熱中症被害は継続するのは明白ですし、台風が巨大化して起こる台風被害と連動する豪雨は、ますます激しさを増すことでしょう。
この平成30年の間の経験を次の時代に教訓としていかに生かすかが、次の令和の時代への最も重要なバトンタッチと言えます。